★無と舞は母子★

深海の海底に棲む生物たちが、そこが氷点間近の水温で、光が殆ど届かぬ闇黒の世界にも関わらず、原色を帯びて輝いているという事実は、私達に何を伝えようとしているのであろうか?
「病める種である人類諸君!貴方方は人の不幸を祝い喜び、人の幸福を恨み呪う種である故、人間ならば誰しも抱えている狂氣を、決定的に笑わなばならぬ。さもないと、病院行けば殺される、学校行けば犯される、聖地に行けば夢幻の餌食になるという具合で、この麗しく美事、可憐かつ優雅な、地球という稀有な星を、生半可では到底やりきれぬほど、辛く悲しく淋しい、苦行の場とせなばならぬのだ」
こうした御仁の歓呼たる歌声には、不自然なほど毒毒しい原色からなる、魔法の煌きが迸っていたのだけれども、灰色の風が始終流れ込んでいる、地下鉄の無機質な坑道に、間隔を置いて配置された、白い裸体たちのオブジェ群の密かさめく、厳かな熱情もまた、巧妙に隠されていたのだった。
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by hitohiso | 2016-01-02 17:18