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★初接吻*First-Kiss★
初めてのキッス!
それは、十二支が刻印された時計台のある、柔らかな鉄と石とで出来た小学校の、星屑を集め鋳造して濾過させた、霧吹き木造仕立てのダダッぴろい階段躍り場で行われました。
ホッペタのふっくらしたオカメ顔が愛嬌いっぱい、優しく満ちあふれた少女が御相手だった。柔らかに潤う唇の感触に、足元の床が雲の布団のように、温かくフワフワと応えてくれたのでした。
絶対安心で不安この上無い、自身を当惑させ混迷瓦解させるような、特殊少年ばかりを好んだ彼の性癖は、苛めっ子の寡黙と卑屈が、御調子者の不調法に憑かれながら演じられていたのですが、そのカンチガイの誘惑が彼自身を騙し、そそのかしては反撃を加えたのです。
誰でも無い、自分自身の反撃に恐れをなした彼は、それを観まい!と目玉を凍結・フリーズさせ、萎縮してゴツゴツとした眼差しで、禁巳の少年を射っては、罵詈雑言の言い訳を浴びせたものです。
そうして、己の純眞さに、迷惑したり安堵したりしながら取る校庭での相撲は、アヤトリとオハジキが立体シールに結実するように、少年少女の下敷になっては、ゴーカートに揺れる速度の熱ごと放り投げられたりして、使い物にならなくなった物事を、少な目に勘定する習慣が身についていくのですね。
一方は不可通の嫌悪、一方は交歓し合う好感、そうした皮算用も、習うとなると照れ臭いものです。
特殊学級の智恵ちゃんは、少年の言うことを何でも聞いてくれました。
「オッパイ見せてくれ」
そんな注文に、彼女が、白いブラウスのボタンをソロリソロリとはずす風合いは、溜息が出るほど優しくって奥床しくって、フックラふくらんだ白痴少女のオッパイを見せてもらった少年は、その仕草に、その肉体に、架空の姉と架設の母の混交体を夢想するのでした。
学校外で出合う彼女は、いつも彼女の母親と一緒でしたが、その母親の目を盗んで交わした、彼女との秘密の合言葉「やっしょ♪」「まかしょ♪」は、二人だけの呪能をもち、二人だけの舞台を瞬く間に起ち上がらせたりもしたのです。
少年王国のピエロが、王様に化けて裸にされました。
脱糞少年だって、立派に授業を促進するのだから、布団イッパイに世界地図を描く寝小便小僧なんぞは尊敬に値するのですよ。
半ズボンから、少年のとは想われぬような、巨大な陰茎をはみ出させて走る、学校随一のトップ・ランナーは、南方系の野性味あふれる顔立ちをした八百屋の息子でしたが、その雄大でエネルギッシュな走りっぷりが氣に入った少年は、大人びた八百屋の息子に憐れみをかけて欲しくて、火事場狂言を演じたのか知ら?
土手を渡って来る風に追い越されながら、少年自身の魂が離れていく発火点へと、暗く淋しいあきらめを運んでは、味氣ない砂埃と化すのでした。
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by hitohiso | 2016-03-24 19:19