玩具身体

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さまざまの欲は須(すべから)く喰われる。
私達の欲は一等のエネルギアを持ち、摂取者を永遠の超存在に仕立て上げる。
摂取者は「闇」から選ばれ、「無限」との共謀を図り、その結果を「神」へと委(ゆだ)ねる。
自身が自身を喰らうメビウス状の毒蛇に、巧妙な虹細工を施(ほどこ)す欲の仕業には、「からだ」というこれまた絶妙なソフティック・ハードがいとも簡単に誘惑されてしまう、図抜けた魔力に充(み)ち溢(あふ)れているのである。
生きたい。活かしたい。死にたい。殺したい。躍りたい。救いたい。助かりたい。消えたい。忘れたい。知りたい。愛したい。苦しみたい・・・・
どれもこれも切実な「自欲」ではあるが眞実ではない。
欲そのものに眞(まこと)なぞ無いのだ。

自分とは自(みずか)らを分かつという解釈に従うなら、他者へと世界へと分散・変容していく現象こそ「自(おの)ず」であろうし、「自」の字源が正面から見た鼻だとすれば、古代の薫香(くんこう)が匂い起ち、未来へと羽ばたいてゆく色香を嗅(か)ぐ想いに駆(か)られるのも興(こう)が湧(わ)くというものだ。
世界に、全宇宙に、遍満(へんまん)する自己!

人間症に罹(かか)った能天氣な物知り顔をした、操り人形のように息もしないでギクシャク動く凡愚の聖性を裏切るがいい!
夜色に覆われた巨大な球が都市の幹線道路を縦横無尽に転げ回る。
傍観者の愉快は絶え間無く揺す振られ、当事者の悲惨は空っぽのオブジェをつかみ損ねるばかり。
寂しく退屈なオブジェの不幸に魅かれた、怪しく快活なオブジェンヌの仕業が産む数数の物語。
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by hitohiso | 2013-01-02 23:32