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☆ムマン☆煙の歯車

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『私共は御客様に対して、感動や幸福の無理強いを決して致しません!』
「おっと、こうきたもんだ!同時代の本質を形骸(けいがい)化したまんまによ、飽(あ)きられ捨てられちまったレディ・メイドの墓守(はかもり)が声高に、さも自慢氣にそうやって宣伝するんだけんど、当(とう)のその墓場にゃぁ、拠所(よりどころ)の要らない体がもんどりうって屯(たむろ)していてよ、興味の矛先(ほこさき)へ勝手御免と、日がな一日の幸福の孔(あな)が穿(うが)たれてるっつぅ~遜(へりくだ)りようでさね♪」
胎(はら)の蟲がそうやすやすとは治(おさ)まらない氣取り方で、世の中を茶番化しようと躍起になった御仁のこうした警句(けいく)には、辛辣(しんらつ)な優しさが至極さっぱりと充満して果てし無く伺えるのであった。
「よそよそしい事象には事欠かないのだがね、事象地平(イヴェント・ホライズン)が世界の涯(はて)なのだと了解する破廉恥(ハレンチ)さには、腹を空(す)かした妖精が笑いながら泣きじゃくるってえ~具合の、実存の不甲斐無(ふがいな)さを常套(じょうとう)手段としちまうあざとさがあるのよ」
子孫を不要とする界隈(かいわい)に棲(す)む虚空人の醸(かも)す酒を呷(あお)りつつ、こう宣(のたま)う御仁の吐息は、光の香に包まれて仕合わせそうに輝いていた。
by hitohiso | 2013-01-03 17:44